エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 ――自分の気持ちだけを押し付けすぎる。

 神也に言われたが、確かにそうかもしれない。
 正直に言えば、愛しすぎて止まれない。

 彼女の気持ちが他を向かないように……ただ、彼女を手放したくなくて必死なんだ。

 最近になって、小学校に入る前、母親が俺を置いて出て行った日のことも時折思い出す。
 もう割り切っていたはずなのに、おかしな話だ。

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