エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
3章『離婚旅行 2日目』
昨日は現地時間18時ごろに空港についてからホテルに直行。
同じベッドだから緊張で眠れないかもなんて思ったけど、飛行機での緊張のせいか、先にシャワーを浴びたら、昴さんがシャワーを浴びている間に眠ってしまった。
なんだかんだ一年間一緒に暮らしてきて、男女間の最終的な行為はなかった実績と安心感もあるのかもしれない。
(昴さんになら襲われてもいい、って気持ちはずっとどこかにあるけど……)
そうなれば、絶対に離れられなくなる。
だから、やっぱりだめだよね。
(そもそも、彼は私の身体になんて興味ないじゃない)
そんなことを考えながら目をそっと開く。
すると……。
「おはよう」
「わっ……!」
すぐに昴さんの顔が見えて、飛び上がりそうになってしまった。
昴さんはもう起きて、ベッドの中に寝転んだまま私の目の前にいる。髪をひと束すくわれ、目が合うとくすくす笑われた。
「よだれ出てるなぁと思って見てた」
「うっそ!」
慌てて口元を隠すと、「ハハ、嘘だ」とまた笑われる。
唇を噛んで昴さんを睨んでしまうと、ついには吹きだされた。