エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
昴さんの言葉ひとつひとつが大事なもののように自分に染みわたる。
私をもう一度強く抱きしめると、昴さんは問う。
「香澄が俺の一番大事なものを守ってくれたみたいに、俺は香澄の一番大事なものを守れるか?」
「今、やってくれてますよ?」
「え?」
「今、私の一番大事なものは昴さん自身だから」
昴さんが目を丸くした顔を見て微笑んで、指折り数える。
「最近昴さん、お昼も食べてくれるでしょ。それに、お休みも取ってくれるし。家に帰って寝てくれる。昴さんが自分も大事にしてくれることが、嬉しい」
私が笑うと、昴さんはまた強く私を抱きしめた。