エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

「昴さんが自分の気持ち伝えてくれるから……今は、もう全然離れられなくなっちゃったじゃないですか」
「離れられなくなっちゃった、って」

「だってあの時、旅行しなければ、きっと自分の気持ちを言わないまま昴さんから離れていたでしょうし」

「思い出したけど、香澄は旅行まで引っ越しの準備も着々と進めてたよな」

 そう言えばそうだ。
 旅行の準備と並行で引っ越しする準備を進めてた。

 無理にでもそうしていないと離れられない自信があった。

「離れても、昴さんのことは一生忘れない自信はありましたよ。昴さんは私以外と子どもを作る気なんてないって言ってくれたけど、私だって、離婚しても昴さん以外と結婚する気はなかった」

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