エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

「今すぐ抱きたいけど、今夜は長くなりそうだし……なにか食べてからにしよう。何が食べたい?」

 あっさり夜が長くなりそうだと宣言されて、苦笑しながらも思い出して答える。

「……ナポリタンが食べたいです。あの時、味が分からなかったから」
「あの時って……。昔、俺が作った?」
「はい。あの時、昴さんの作ってくれたナポリタンってどんな味がするのかなってずっと思ってて」

 離婚旅行前は味が分からなくて、どんな味か想像してただけだけど。
 そう思ったとき、昴さんは苦笑して言う。

「そういうことは早く言え」

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