エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 食事中も何度か目があって微笑み合う。
 食べ終わって、ごちそうさま、と言った瞬間、昴さんは立ちあがって私の方にやってきた。

 昴さんを見上げると、彼は顔を私に近づけ、唇にキスを落とす。

「んっ……」

 唇が離れた瞬間思わず言ってしまった。

「……やっぱり、甘い」
「え?」

 今も昴さんのキスは甘いまま。
 甘みを口に孕んだまま昴さんを見上げると、優しい顔の彼が間近に見えて、ぎゅっと、いつも以上に胸が締め付けられた。

 口が勝手に開いて、思いが溢れ出る。

「昴さんのキスが好き。昴さんが、全部、大好き」

 私は立ち上がって昴さんに抱き着いた。
 彼はそんな私を抱きしめ返して、耳元に低い声で囁く。

「香澄、愛してる」
「私も昴さんを、ずっと愛してます」

 自分から長いキスをすると、昴さんは嬉しそうに笑って、それからお返しとばかりに何度も何度も甘いキスを落とした。
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