エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 リビングに行き、昴さんがコートを脱いだものを受け取る。

「すみません、お休みなのに連と外で遊んでもらって」
「いいや、楽しいよ。本当に連はサッカーがうまくなったな」

 親の欲目というやつだろうが、連はボールを蹴るのがすでにうまい。

 昴さんの『うまくなった』という言葉を聞いて、連は思いっきり得意げな顔をして微笑んだ。

「きょう、ドリブルでパパをぬいたんだ!」
「それはすごい!」

 私が言うと、連は鼻の穴を膨らませた。
 なんともかわいいな、と思ってこちらもさらに笑顔になってしまう。

 連は言葉遣いは3歳にしてはかなりしっかりしているが、まだ少し舌足らずの声も何にも変え難いほどかわいい。
 同じように思ってたのか、昴さんもまた破顔していた。
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