エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
「んっ……。と、突然、なんですか?」
「幸せだな、と思って。本当にあの時に旅行に行くと決めてよかった」
「ふふっ、私も離婚旅行のおかげで幸せです」
私が返すと、突然手首が掴まれて引き寄せられる。
それからまたキスをされて私は慌てた。
連がいつリビングに戻ってくるか分からないから余計だ。
「んんっ……! 待って、昴さんっ」
思わず昴さんを押すと、彼は困ったように笑って額を合わせてくる。
「離婚って言うな、ドキッとする」
彼は言葉だけでも離婚と聞くとひやひやするらしく、それを聞くと奪うようなキスをすることがあった。
「もう! だからってやりすぎ!」
私が怒ると、昴さんは苦笑する。
そのまま二人で、額を合わせたまま笑い合った。