エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 出来上がったナポリタンをみんなで「いただきます」と声をそろえて、食べ始める。

「「おいしい!」」

 私と連の声がまた被った。
 昴さんはパクパクと食べる私たちを見ていたと思ったら、連の口元を優しく拭う。

「ハハ、ついてるぞ」

 思わず顔を上げてその父子の姿に微笑むと、昴さんは私の口元も拭った。

「香澄も」
「す、すみません」

「ママ、こども」
「う……」

 言葉に詰まった私を、次は昴さんと連が二人で笑った。

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