エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 その夜、ワインたった一杯で私はずいぶん酔っぱらってしまっていた。
 ホテルの部屋に着くころには、足元もおぼつかない。そんな私を昴さんは腰から手を回して支えてくれた。

 酔ってるからか、さらに自分の心臓の音が大きい。

 大きなベッドに優しく寝ころばせてくれて、昴さんは私の頬に触れる。
 頭がぼんやりしながら、私は笑っていた。

(楽しかった。この一年も、今日も……全部)


 シャワーを浴びないといけないと分かってるのに、すごく眠いの。

 お酒だって、結婚してから一度も飲んでなくて……。
 本当に一年ぶりくらいだったし。

 そのおいしさは私には分からないけど、昴さんと二人で飲めるだけですごくおいしく感じた。
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