エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 うとうとしかけた時、目の前に昴さんの真剣な顔が見える。

(やっぱり昴さんって、すごくカッコイイ……)

 こんなにカッコよかったら、たくさんの女性が夢中になるなんて当たり前。
 私なんて、彼に意地悪されたって、いいように使われたって、ずっと好きなんだもんね……。

 初めてのキスだって忘れた日はないよ。

 私は物心ついたときには、もう昴さんのことが好きだった。ずっとずっと好きだった。

 こんな素敵な人が旦那様なのは、この旅行が終わるまで。

 私は差し出されて掴んだ手を、自分からちゃんと離さないといけないんだ。
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