エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
夕方を過ぎ、一度脳外をちらりと覗いたけど、昴さんがバタバタしているのが見え、私は小児科に戻った。
書類の処理が溜まっていたのでそれを処理しながら昴さんを待っていると、二十時を過ぎた頃、彼が慌てた様子でやって来る。
「すまない! 自分から誘っておいて」
その焦った様子に、思わず微笑んだ。
慌てて私のところに来てくれたことがたまらなく嬉しく思っていた。
私は笑って首を横に振る。
「たとえ何日待たされても、今ので全部帳消しになっちゃうんですよ」
そして聞こえないように、呟いた。