エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
それから昴さんが連れて行ってくれたのは、病院の裏にある小さな割烹。
「あら、一之宮先生。いらっしゃい。久しぶりね」
店の戸を開けてすぐ、女将さんが声をかけてくれる。
昴さんは流れるように私をカウンターに案内して座らせてくれた。
「よく来るんですか?」
「近いしな。隠れ家みたいなもの」
「隠れ家、ですか」
私がきょろきょろしながら聞くと昴さんは頷く。
そんな隠れ家に昴さんが連れてきてくれたことが嬉しかった。