エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
だからこそ、一つだけはっきりさせておかなければならないことがあった。
私は息を吸って昴さんをまっすぐ見つめる。
「でも、私からもひとつだけ条件があります」
「なんだ?」
「必ず一年後には離婚しましょう。何があっても、必ず」
きっぱりと言い放つと、昴さんが困ったように眉を下げた。
しかし次の瞬間、手を差し出してくる。
「……あぁ。じゃ、改めてよろしく。香澄」
「はい、よろしくお願いします」
昴さんの大きな手を、私は迷わず握っていた。