エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
昴さんは少し考えるそぶりをして、意地悪な笑顔で微笑む。
「昨日は自分から求めてくれて、かわいかったのに」
「なっ……ち、違います! 求めたわけじゃなくて……!」
「ならどうしてキスに応えた?」
顔を近づけて聞かれて、視線を逸らす。
自分の指を見ながら、しどろもどろで呟いた。
「あ、の……甘くて」
「甘い?」
「甘い味がしたの。それで驚いて……ごめんなさい」
昴さんが黙り込む。
(本当に不思議だったんだもん)
それからおずおず顔を上げた。
「なんで昴さんのキスだけ、甘さを感じるの?」
腕を掴んで引き寄せられ、気づくと昴さんの唇が自分のそれに重なっていた。