エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 だけど少しの隙ができれば、彼女は決意しているように口を開く。

「……帰ったら離婚届を出してきます」

 やはり彼女の決意は固いらしい。

 彼女は確実に初めてだった。
 はじめて肌を重ねても、ここまで頑なだと不安になってくる。

 本心から離婚したがっているのかもしれない、と。

 それでも、どうにかして自分の方を向かせないといけない話だ。

「気持ちは変わらないか?」
「はい。昴さんだって、了承してくださったじゃないですか」

 あっさり言う彼女。
 だけど顔は、昔から変わらない。

 昔から俺と話す時だけは、ほんの少し頬を赤く染めている。たまらなくかわいい顔。
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