エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

 優太先生は病院を見渡して言う。

「本当に、随分人が増えたんだね。知らないスタッフも多い」
「そうなんですよね、どうしたんだろう」

 私が言うと、優太先生はボソリと言う。

「昴先生が方々に頭下げて、医師や医療スタッフを増やしている噂って本当だったんだ。信じられないな」
「え? そうなんですか?」

 兄も最近早く帰れると言っていた。
 そのせいか心配のせいかはよくわからないが、兄からの電話やラインは良く来るようになった。

 結婚のことはみんな知っているけど、兄だけがこの結婚が一年で終わることを知っているから……。

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