エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
「だから優太先生も……」
言葉に詰まる私に、優太先生は優しく微笑む。
「子どもは好きだけど、僕の場合、仕事でたくさん会えるしね。なにより、うちは兄弟も多いし、家業があるわけじゃない」
「でも」
「それより僕は香澄ちゃんといたいと思ったんだ。大阪に行ったら気持ちが薄れるのかなと思ってたらそうでもなかった。どんどん強くなるばっかり」
その気持ちは痛いほどわかった。
近くても、離れてても、私は昴さんを好きになっていくばかりだった。
完全に言葉に詰まった私の手を優太先生はそっと掴む。
「離婚したら、大阪に来てほしい。そうしないと香澄ちゃんも昴先生のこと、忘れられないだろ?」