エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
「そんな優太先生を利用するようなことできるはずないですよ」
「利用じゃなくて、僕のわがままだよ。本当はすぐ結婚ってことも思ったんだけど、香澄ちゃんの気持ちの整理がつくまで、ただ一緒にいない? 僕のこともきちんと知ってほしい」
あまりに真摯な言葉に、何故か泣きそうになって顔を下に下げる。
「……私」
「返事はいつでもいい。香澄ちゃんが昴先生を好きな気持ちだって分かってるつもりだから。すぐは諦められないよね。僕と一緒で……」
掴まれた手を、ぎゅう、と握られた。
顔を上げると、優太先生の真剣な目に捉えられる。
「ごめんね、それでも香澄ちゃんが好きだよ。どうしても伝えたくて、ここに来たんだ」