エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

「そ、そんなこと言われても困ります」
「困ればいいって言っただろ」

 昴さんは、私を強く抱きしめ、私の髪を撫でた。
 そうされると、昨日の幸せな夜は夢なんかじゃなくて、私の手の中にあったものだと気付かされる。

 温かくて、優しくて、それから、見たこともない男性の顔をした昴さんを感じた。

 まだその熱の余韻が残ってる。

「ずっとこうしていたいな」

 昴さんが言ったのに、一瞬、自分が言った言葉なのかと思った。

 今、全く同じ気持ちだった。
 昴さんが『愛してる』なんて言うからだ。

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