エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む
どうにか離れないとと、ベッドから抜け出て昴さんとは反対を向いた。
明日の夜の便で帰国することになっている。帰るまでにどうにか気分を変えたい。
表情をできるだけ普通通りに戻して、くるりと昴さんの方を向いた。
「やですよ。せっかくのパリだし、もっと街を見て回りましょう?」
「やですって」
昴さんが困ったように苦笑する。
「お願い」と手を合わせて見つめると、「あぁ、分かった」と昴さんが折れてくれた。