エリート脳外科医は離婚前提の契約妻を溺愛猛攻で囲い込む

「べ、別にっ、疲れてませんっ」
「なら今夜はもう少し無理させてもいいのか?」
「だめっ! そ、そもそも、もうしない!」

 私が怒ると昴さんは楽しそうに笑って、返事の代わりになぜか強く手をつながれた。
 手だけでなく、心までぎゅうと掴まれる気がする。

(もう絶対しないもん……)

 ドキドキしながら考えていると、手の指の間に指を這わされ掴まれた。
 そうされると突然、夜の間のことを思い出して、心臓の音が大きくなりすぎて鳴りやまなかった。

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