部長、恋しませんか?〜文芸部の部長は3人のイケメン部員に愛される〜
落ち着いて、野々花。

仮にも部長ならしっかりするの。

「下手な小説は他人から見たら何の価値もないと思う」

私は月島くんと目を合わせた。

「野々花ちゃんもそう思うでしょ?」

「でも自分には価値があるの」




「書いてて楽しいもん」



「難しいことはいいじゃん」



月島くんが目を丸くする。

「ははっ」

「もっとめんどくさいこと言われると思った」

「父親の口癖が面白くない小説に価値はない、なんだよね」

「父親?」

「僕の父親、小説家なんだよね」

「実は昔一回書いたことあって「面白くない」って一蹴」

「それでも結局書きたくて文芸部入ってるんだから、笑えるよね」

月島くんが私の頭を撫でる。

< 24 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop