内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
片親だからこそ、安定した収入の得られる正社員になりたい。
できれば大好きな本に囲まれて楽しく仕事をしたいが、業種を選んでいるようでは就職できないと悟ったところだ。
自宅に帰りついて、鍵を開けて中に入る。
時刻は十四時半で、子供たちは保育園で昼寝から起きる頃だろう。
おやつを食べさせてもらい、十五時半になったら迎えに行く約束だ。
手を洗ってから居間に入ると、兄が掃除をしてくれたようで出かける前よりきれいに片づいていた。
しかし双子が帰れば、すぐにおもちゃが散乱した状態に戻るのは想像にたやすい。
「お兄ちゃん、ただいま」
兄はこたつデーブルに向かってあぐらをかき、単行本を開いていた。
果歩が誕生日にプレゼントした推理小説だ。
「おかえり。どうだった?」
しおりを挟んで問いかけた兄に、果歩は舌先をのぞかせた。
「ごめん、駄目みたい。アルバイトなら雇ってくれそうだけど、やっぱり私は正社員で就職したいから、書店にこだわらずに探してみる。就活を始めたばかりだもの、へこたれずに頑張る」
気持ちは落ち込んでいても、両手を胸の前で握って明るく笑ってみせた。
できれば大好きな本に囲まれて楽しく仕事をしたいが、業種を選んでいるようでは就職できないと悟ったところだ。
自宅に帰りついて、鍵を開けて中に入る。
時刻は十四時半で、子供たちは保育園で昼寝から起きる頃だろう。
おやつを食べさせてもらい、十五時半になったら迎えに行く約束だ。
手を洗ってから居間に入ると、兄が掃除をしてくれたようで出かける前よりきれいに片づいていた。
しかし双子が帰れば、すぐにおもちゃが散乱した状態に戻るのは想像にたやすい。
「お兄ちゃん、ただいま」
兄はこたつデーブルに向かってあぐらをかき、単行本を開いていた。
果歩が誕生日にプレゼントした推理小説だ。
「おかえり。どうだった?」
しおりを挟んで問いかけた兄に、果歩は舌先をのぞかせた。
「ごめん、駄目みたい。アルバイトなら雇ってくれそうだけど、やっぱり私は正社員で就職したいから、書店にこだわらずに探してみる。就活を始めたばかりだもの、へこたれずに頑張る」
気持ちは落ち込んでいても、両手を胸の前で握って明るく笑ってみせた。