内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
けれども卓也はビクともしないどころか、足を進めて玄関に入り、果歩を腕に抱きしめた。

彼の背後で玄関ドアが閉まる。

「怒るのはもっともだけど、話を聞いてくれ。俺の子を産んでくれたんだろ? 今までつらい思いをさせてすまなかった。償いをさせてくれ」

「違います。卓也さんの子じゃない!」

「果歩、落ち着いて!」

揉める声を聞きつけ、兄が玄関に駆けつけた。

「どうした!?」

ハッとして卓也から離れた果歩は、兄の腕にしがみつく。

「私の夫です。この人が子供たちの父親ですから」

「は?」

兄が怪訝そうに果歩を見て、卓也は苦しげな顔でかぶりを振った。

「拒絶されて当然だよな。守れなかったんだから。喜んでくれるんじゃないかと、少しだけ期待していた俺は愚かだ」

独り言のように呟いた卓也が、深々と頭を下げる。

「果歩のお兄さんですね。私は吉川卓也と申します。果歩の子供の父親は私です。今まで会いにこられず、誠に申し訳ございませんでした」

(すぐに嘘がバレちゃった。私が未婚で、お兄ちゃんと子供たちとの四人暮らしだって調べたのかな)

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