内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
「そうです。飛島さんですよね。卓也さんの代理人弁護士だと言っていました。この日の仕事帰りに声をかけられて――」
喫茶店に連れていかれ、三百万円の手切れ金を差し出されたことや、卓也に婚約者がいて果歩は浮気相手であること、婚約者にバレたら慰謝料を請求されるからその前に別れた方がいいと説得されたことなど、すべてを打ち明けた。
話しながら、そう言えばと思い出す。
卓也の連絡先を消去するからと言われてスマホを渡したら、操作時間が少々長かった気がした。
他人のスマホだから勝手がわかりにくいのだろうと疑問に思わなかったが、おそらくあの時に別れのメッセージを偽造されたのではないだろうか。
果歩の説明を聞いた卓也は驚かず、「やはりそうか」と納得していた。
「飛島は、俺ではなく母の秘書だ。弁護士資格は持っていない。説得力を上げるために肩書を偽ったのだろう。俺には当時も今も婚約者はいないし、もちろん独身だ」
「それじゃ、私たちが別れなければならなかったのは、卓也さんのお母様の――」
果歩が悲しい目を向けると、卓也が申し訳なさそうに頷いた。
喫茶店に連れていかれ、三百万円の手切れ金を差し出されたことや、卓也に婚約者がいて果歩は浮気相手であること、婚約者にバレたら慰謝料を請求されるからその前に別れた方がいいと説得されたことなど、すべてを打ち明けた。
話しながら、そう言えばと思い出す。
卓也の連絡先を消去するからと言われてスマホを渡したら、操作時間が少々長かった気がした。
他人のスマホだから勝手がわかりにくいのだろうと疑問に思わなかったが、おそらくあの時に別れのメッセージを偽造されたのではないだろうか。
果歩の説明を聞いた卓也は驚かず、「やはりそうか」と納得していた。
「飛島は、俺ではなく母の秘書だ。弁護士資格は持っていない。説得力を上げるために肩書を偽ったのだろう。俺には当時も今も婚約者はいないし、もちろん独身だ」
「それじゃ、私たちが別れなければならなかったのは、卓也さんのお母様の――」
果歩が悲しい目を向けると、卓也が申し訳なさそうに頷いた。