内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
名前も会社名も、御曹司であることも教えていない。
打ち明けたのは、婚約者がいると知らずに交際してしまい、別れてから妊娠に気づいたということのみだ。
それは兄なら手を尽くして卓也に連絡し、責任を取るよう要求しそうに思ったからで、その時は卓也に知られたら妊娠中絶を求められるだろうと恐れていた。
卓也がスーツの内ポケットから黒革の名刺入れを取り出し、一枚を兄に差しだした。
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。私は今、日星製薬のニューヨーク事業部に勤めています。年齢は、今年三十四になります」
「へぇ、大手だな。その若さで部長職ということは、身内に経営者がいるのか?」
「はい。祖父が創立し、父が現代表取締役です。私はあと数年、ニューヨークにおりますが、その後は経営陣に加わる話になっています」
(そ、そうだった。卓也さんはいずれ社長になる人だった)
卓也が何者であるかは、飛島に聞いたのでとっくに知っている。
しかし卓也と抱き合えて、交際中の一般的な会社員だと思っていた時の感覚に戻されていたためハッとして気後れした。
打ち明けたのは、婚約者がいると知らずに交際してしまい、別れてから妊娠に気づいたということのみだ。
それは兄なら手を尽くして卓也に連絡し、責任を取るよう要求しそうに思ったからで、その時は卓也に知られたら妊娠中絶を求められるだろうと恐れていた。
卓也がスーツの内ポケットから黒革の名刺入れを取り出し、一枚を兄に差しだした。
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。私は今、日星製薬のニューヨーク事業部に勤めています。年齢は、今年三十四になります」
「へぇ、大手だな。その若さで部長職ということは、身内に経営者がいるのか?」
「はい。祖父が創立し、父が現代表取締役です。私はあと数年、ニューヨークにおりますが、その後は経営陣に加わる話になっています」
(そ、そうだった。卓也さんはいずれ社長になる人だった)
卓也が何者であるかは、飛島に聞いたのでとっくに知っている。
しかし卓也と抱き合えて、交際中の一般的な会社員だと思っていた時の感覚に戻されていたためハッとして気後れした。