内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
かなり怒っているようだが、それを精一杯こらえているような顔をして兄が指示する。
「お前を妊娠させた男をすぐに連れてこい。子供ができた以上、結婚するなとは言わないが、説教してやらないと。俺は果歩の父親代わりだぞ。今まで挨拶にも来ないで、いい加減な野郎だ」
「そ、それが、連れてこられないの」
「俺に会うのが怖いのか? この期に及んで逃げようとする男とは――」
「違うの。半月ほど前に別れたの。相手に婚約者がいて、私がフラれたんだけど、妊娠がわかったのが今日で……」
「は?」
「連絡先を消した後だから伝えることもできない。それでね」
信じられないと言いたげに目を見開いた兄に向け、果歩は絨毯に手をついて頭を下げた。
「私、どうしても産みたいの。片親でも幸せにしてみせる。だけど、私ひとりじゃ生活していけるか不安で。お願いします。この家に帰らせてください。子供が少し大きくなって働けるようになったら出ていくから、それまでここに置いてください!」
無言の時間が流れ、果歩は頭を下げたまま緊張して返事を待った。
(駄目だと言われたらどうしよう)
「お前を妊娠させた男をすぐに連れてこい。子供ができた以上、結婚するなとは言わないが、説教してやらないと。俺は果歩の父親代わりだぞ。今まで挨拶にも来ないで、いい加減な野郎だ」
「そ、それが、連れてこられないの」
「俺に会うのが怖いのか? この期に及んで逃げようとする男とは――」
「違うの。半月ほど前に別れたの。相手に婚約者がいて、私がフラれたんだけど、妊娠がわかったのが今日で……」
「は?」
「連絡先を消した後だから伝えることもできない。それでね」
信じられないと言いたげに目を見開いた兄に向け、果歩は絨毯に手をついて頭を下げた。
「私、どうしても産みたいの。片親でも幸せにしてみせる。だけど、私ひとりじゃ生活していけるか不安で。お願いします。この家に帰らせてください。子供が少し大きくなって働けるようになったら出ていくから、それまでここに置いてください!」
無言の時間が流れ、果歩は頭を下げたまま緊張して返事を待った。
(駄目だと言われたらどうしよう)