内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
(母さんのことだから、偶然ではない気がする。接触の機会をうかがっていたのだろうか。椿姫さんは俺を気に入ってしまったようだし、このままだとまずいな)
いずれ日星製薬を背負う者として、厚生労働省のトップ官僚の令嬢を冷たく突き放すことができず、返事に困った。
すると母が話をまとめようとする。
「お優しいことを言ってくださるのね。椿姫さんのような素敵なお嬢さんが卓也のそばにいてくださるなら、私も安心よ。卓也を気に入ってくださってありがとう。ねぇあなた、早速、椿姫さんのご両親とお食事会でも――」
交際させられそうで卓也が焦って口を挟もうとしたが、その前に父が止めてくれた。
「待ちなさい。急な話で卓也が困っているぞ。椿姫さんが素晴らしい娘さんなのは間違いないが、これに関しては当人の意志を尊重したい。そんなにせっかちに話を進めるものじゃない」
(父さんはどちらでもいいという考えなのか。助かった)
母が不満げな顔をする。
「もう、あなたももっと応援してあげてください。椿姫さん、ごめんなさいね。うちの男たちは照れ屋なのよ。気持ちを固めるために少しお時間をくださいね」
「はい」
いずれ日星製薬を背負う者として、厚生労働省のトップ官僚の令嬢を冷たく突き放すことができず、返事に困った。
すると母が話をまとめようとする。
「お優しいことを言ってくださるのね。椿姫さんのような素敵なお嬢さんが卓也のそばにいてくださるなら、私も安心よ。卓也を気に入ってくださってありがとう。ねぇあなた、早速、椿姫さんのご両親とお食事会でも――」
交際させられそうで卓也が焦って口を挟もうとしたが、その前に父が止めてくれた。
「待ちなさい。急な話で卓也が困っているぞ。椿姫さんが素晴らしい娘さんなのは間違いないが、これに関しては当人の意志を尊重したい。そんなにせっかちに話を進めるものじゃない」
(父さんはどちらでもいいという考えなのか。助かった)
母が不満げな顔をする。
「もう、あなたももっと応援してあげてください。椿姫さん、ごめんなさいね。うちの男たちは照れ屋なのよ。気持ちを固めるために少しお時間をくださいね」
「はい」