内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない

「ブーブーだよ。新は車が好きだね。芽依はなに見てるの？　クリーニング屋さんのドアにヒヨコが描いてあるね。ピヨちゃん、可愛いね」

子供たちは目に映るものすべてが新鮮なようで、景色を楽しみながら進んでいたら、後ろから自転車のベルをけたたましく鳴らされた。

慌てて店側に寄って進路を開けて立ち止まるも、なぜかベビーカーの横で自転車を止めた初老の男が睨んでくる。

「ノロノロしやがって邪魔だ。後ろを見て歩け。なんだ、その顔は。謝る気がないのか」

突然怒鳴られたため驚いてなにも言えずにいたら、反省していないと思われて、男がさらに眉をつり上げた。

「ガキがガキを産みやがって。母親がそんなんじゃ、まともな大人にならんぞ」

小柄で童顔な果歩なので、未成年の母親に見えたのかもしれない。

それにしても理不尽な叱責だと、やっと驚きから回復した果歩はムッとした。

言い返したいところだが、逆らって子供たちに危害を加えられたら困るので、怒りをこらえて謝る。

「すみませんでした」

するとすぐ横のクリーニング店のガラス扉が開いた。