内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
「俺は卓也の友人の弘田和樹。果歩ちゃんの話はあいつからよく聞かされてた。のろけ話ね。君と別れて卓也は随分落ち込んでいたよ。一昨年の秋にニューヨーク事業部に異動になってから会っていないし、最近は連絡も取っていないから近況はわからないけど、さすがに失恋ショックからは立ち直っているだろうな。果歩ちゃんに子供がいるって知ったらかなり驚くと思う。教えていい?」

果歩は目を見開いて固まった。

友人を介せば卓也と連絡が取れると思ったら、終了したはずの過去の恋が胸の奥で目を覚まそうとしている気配を感じた。

(卓也さんに会いたい)

素直な感情が湧き上がったけれど、不満そうな双子の声でハッと我に返った。

ベビーカーがいつまでも動かないので退屈したのだろう。

「すみません、私に会ったのを卓也さんに話さないでください。子供がいることも」

「嫌なら、連絡しないよ。安心して……ん? 双子ちゃん、十か月って言ったよね。ということは出産したのは――」

「あ、あの、これから買い物に行くので失礼します。助けてくださって本当にありがとうございました」

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