内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
和樹の声に明るさはなく、卓也の期待に沿う話ではないと予想できたが、鼓動が高まるのを抑えられなかった。
しかし――。
「ベビーカー?」
『ああ。双子用ベビーカーを押していた若い母親に、面倒なじいさんが難癖つけていて、助けに入ったんだ。その母親が果歩ちゃんだった。写真でイメージしていたより実物は少し痩せていて、子供っぽくも感じなかった。双子の子育てが大変で無邪気な少女ではいられないのかもな』
「そ、そうか……」
(俺と別れて選んだ男と結婚したのか。もう果歩には完全に手が届かない)
心臓をえぐられるような痛みを覚え、奥歯を噛んだ。
果歩への未練を断ち切れるようにと、和樹は思い遣りからこの話をしたのかもしれないが、知らないままの方がよかったと恨みがましい気持ちになった。
「結婚して双子を授かったのか。めでたいな」
『まったく気持ちのこもらない声だな。お前のことだから、しつこく想っていそうな気はしたが、ショックを受けるほどまだ好きなのか』
「わかっていて知らせてくれたのか。お前に恨まれるような覚えはないが」
しかし――。
「ベビーカー?」
『ああ。双子用ベビーカーを押していた若い母親に、面倒なじいさんが難癖つけていて、助けに入ったんだ。その母親が果歩ちゃんだった。写真でイメージしていたより実物は少し痩せていて、子供っぽくも感じなかった。双子の子育てが大変で無邪気な少女ではいられないのかもな』
「そ、そうか……」
(俺と別れて選んだ男と結婚したのか。もう果歩には完全に手が届かない)
心臓をえぐられるような痛みを覚え、奥歯を噛んだ。
果歩への未練を断ち切れるようにと、和樹は思い遣りからこの話をしたのかもしれないが、知らないままの方がよかったと恨みがましい気持ちになった。
「結婚して双子を授かったのか。めでたいな」
『まったく気持ちのこもらない声だな。お前のことだから、しつこく想っていそうな気はしたが、ショックを受けるほどまだ好きなのか』
「わかっていて知らせてくれたのか。お前に恨まれるような覚えはないが」