内緒の双子を見つけた御曹司は、純真ママを愛し尽くして離さない
果歩を取り戻せるという期待が膨らんで、武者震いしそうな興奮を覚えたが、すぐに冷静さを取り戻して考え込む。

(疑問が何点かある。なぜ子供ができたと俺に知らせなかったんだ。好きになった男と結婚するつもりだったからか? だがそれが叶わなかったのなら、連絡するはず。ひとりで双子を育てるのは大変だろう)

電話をかけるのも嫌だと思うほどには、嫌われていない自信はある。

別れのメッセージが送られてきた数時間前は、次のデートの誘いを嬉しそうな声で受けてくれたのだから。

思えば、それについての疑問も解けていない。

別れたいと思っていたなら用があると言ってデートを断るか、もしくはしぶしぶといった雰囲気で了承するものだろう。

卓也はテーブルに肘をつき、指で額を押さえて睨むようにコーヒーの水面を見つめた。

(すべておかしい。もしあのメッセージを送ったのが果歩ではないとしたら? 俺たちを別れさせて得をする者が……いる)

ハッとして眉間の皺を深めた。

「調べないと」と呟いた卓也は湧き上がる怒りをこらえ、静かに左手を握りしめた。

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