悲しみも知らずに
えっ?
これは?
いったい?
私が居た部屋の回り以外
何も無く
外?
「寒くないか?」
と、声をかけてくれる
衛様に
言葉もなく頷くだけ。
どこまで?
と、思っていると
あの倉庫があった場所に
大きな家が建っていた。
玄関は広く光が入るようになっていて
左は、ダイニングリビングやキッチン
右は、温室と音響設備がされた部屋
温室には、沢山の花々
座り心地の良いソファーが置かれ
音響設備の部屋には
ピアノやハーブが綺麗に
置かれいる。
温室のソファーに座らせられたが
温かくて気持ち良かった。
不思議に思い
衛様を見上げると
少し困った顔をされてから
「後、一年だけ
共に暮らして貰えないだろうか?
小翔音に辛く苦しい思いだけを
残して行って欲しくない
俺の唯の身勝手だが。」
と、言われた。
返事に戸惑っていると
「世継ぎの事は考えなくて良い。」
と、言われて
やはり、私では····
と、思っていると
「いや、違う。
小翔音は、俺が怖いだろ?
だからだ。」
と、言われて
ハッとすると
益々、衛様は罰が悪いような
顔をされた。
一年、置いても何も
変わらないかもしれない
信用も未来への希望も
まだ、持つ事はできないが
この時、何故か衛様の
手をとってしまった。
他の部屋は、追々で良いと
言われた。
二階は、私達だけの部屋
主室、ベッドは無い
大きなソファーとテーブル
奥に大きなクローゼット
左右に部屋があり
左は、衛様の寝室と書斎
トイルやお風呂
右は、私の寝室
トイルやお風呂、サニタリールーム
三階は、メイド達の部屋
二階と三階の間は
物音が響かない設定に
なっている。
「疲れただろ。
今日は、休みなさい。」
と、私の肩からガウンを
脱がせてベッドに入る用に
言う衛様に従った。
「お休み。」
と、一言伝えて衛様は、
部屋を後にした。