いつも側に
一人つまらないクリスマス
仕事に呼ばれての帰り
イルミネーションの前を通ると
三人の家族に遭遇する。
女の子を挟んで
父親と母親が手を繋いでいる
とても楽しげに
笑いあっている。
子供の顔が見えた
ひろか?
宏香は、俺に気づくと
男性の後ろに隠れた。
情けない
我が子にも嫌われて
男性は、優しげに
宏香を心配しながら
抱き上げた。
宏香は、俺を見る事も無く
言葉を出す事も無く
男性の首に頬をおいた。
宏香にこんなことされた
事もない。
ましてクリスマスイルミネーションを
見た事もない。
俺は、何をやっていたんだ
家族を、放置し
欺き、仕事、仕事で。
仕事は、癒やしもくつろぎも
くれないのに。
本当に、馬鹿だ。
馬鹿過ぎる。