麻衣ロード、そのイカレた軌跡❶/咆哮
その3
麻衣



今日は、なんて長い一日だったんだろう

まず、南玉幹部会では、レッド・ドッグスの公認を得た

その後、ヒールズで剣崎さんと定例のミーティング

そのまま、夕方には砂垣さんとケンカ腰の折衝

更に、亜咲さんのバイク指導が、さっきまでだもん

午後8時前、やっとアパートに着いたよ…

けど、すぐにシャワー浴びる気力も出ないわ

で、今は畳に大の字で仰向けになってる

とにかく今日は、いろいろなことがありすぎた

ここは、少し頭の整理が必要だ


...




重要局面の今日、確かにしんどかったが、概ねは予定通り事が運んだんじゃないかな

荒子さんからは、いきなり”条件”、突きつけられたけど…

まあ、あの狂犬娘が嚙みついてくることは、想定してたからね

しかし…、想定外のこともあった

剣崎さんからの情報だ

どうやら、亜咲さんのお母さん、早期に病院を変える必要があるらしい

詳しいことまでは、はっきりしてないらしいが…

ただ、それなりに医療施設が整っているところとなると、限定されそうだと…

どうやら、亜咲さんが”去る”のは、かなり早まりそうだ

最低でも3か月くらいはチームでと、思っていたけど…

もしかすると、秋前にかなって感じもする


...



亜咲さん、せっかく今日、南玉連合に復帰できたのに

”前回”は総長に推されてた矢先、学校やめての引退だった

今日、同年の刀根総長や相川補佐と久しぶりに、3人で表舞台立ってさ…

ホント、嬉しそうだったなあ

近くで見てて、ちょっとうらやましい気持ちもしたよ

何故だか、それ、よくわからないけど

私、レッド・ドッグス結成にかこつけて、亜咲さん引っ張り出したんじゃなかったのだとうか…

あの人をもう一度、陽の当たる場所に立たせたい

本当に私、そう願ってたのかな…





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