彩国恋花伝〜白き花を、麗しき紅い華に捧ぐ〜
屋敷の外では、王家の使いだという赤と黒の衣装を纏った兵士達が、必要以上に光り輝く神輿のようなものを囲んで平伏している。
(えっ! 国王の第三夫人って、こんなに権力があるの?)
良いものだと思った。大勢の男達が私に跪く姿は……。高笑いしたいくらいの心境だ。
大将らしき兵士に誘導され、神輿に近付いていく。と思いきや、それは人を乗せる籠らしく……。重い頭と重い衣装のバランスを取りながら、導かれるままその中へと入っていき腰を下ろした。
中は、意外にシンプルだ。とりあえず、窮屈ではないけれど……、と思っていたら、そのままひょいと上げられ、掛け声と共に動きだした。
籠に揺られながら考えた……。
国王がある程度いい男だったら、この暮らしも悪くないかもしれない。
いつも上等な衣裳を身に着け、食べることにもきっと困らない。なんと言っても、王宮に棲めるのだ。
毎朝、混雑する通勤電車に乗らなくもいいし、店の売り上げを気にしなくてもいい。
(逆に、もう元に戻らなくてもいいかも……)
そう、思い始めていた。
(えっ! 国王の第三夫人って、こんなに権力があるの?)
良いものだと思った。大勢の男達が私に跪く姿は……。高笑いしたいくらいの心境だ。
大将らしき兵士に誘導され、神輿に近付いていく。と思いきや、それは人を乗せる籠らしく……。重い頭と重い衣装のバランスを取りながら、導かれるままその中へと入っていき腰を下ろした。
中は、意外にシンプルだ。とりあえず、窮屈ではないけれど……、と思っていたら、そのままひょいと上げられ、掛け声と共に動きだした。
籠に揺られながら考えた……。
国王がある程度いい男だったら、この暮らしも悪くないかもしれない。
いつも上等な衣裳を身に着け、食べることにもきっと困らない。なんと言っても、王宮に棲めるのだ。
毎朝、混雑する通勤電車に乗らなくもいいし、店の売り上げを気にしなくてもいい。
(逆に、もう元に戻らなくてもいいかも……)
そう、思い始めていた。