アイドルの秘密は溺愛のあとで

「なんとでも言ってください…。いざとなれば顔を殴りますから……グ〜」

「…寝るの早」



そう言いながらも、皇羽さんはソファに置いてあるブランケットを、私にかけてくれた。


すぅすぅと寝ている私を見て、ふっと少しだけ笑みを浮かべる。するとその時…



ズキッ



皇羽さんの手首に痛みが走る。見ると…湿布の上からでも分かる、腫れた手首。


それが右手だと気づいた時、皇羽さんが珍しく焦って声を出した。



「げ、やっべぇ…」



すると、ちょうどその時。


Ign:s が出ている番組が、パッとテレビに姿を表す。いつもの「視聴予約」の時間らしい。


皇羽さんはテレビを見ながら黙って食べていた。 Ign:s の会話を聴きながら。

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