アイドルの秘密は溺愛のあとで
二人の〇〇
ガチャ
「萌々ー?って、さすがに寝てるか」
帰宅予定時間を一時間過ぎた、午後10時。
皇羽さんは、いつもと同じように帰って来た。違うのは…私が「皇羽さん=レオ」という事実を知ってしまったこと。
「わ!なんだよ、まだ起きてんじゃねぇか…」
「……」
私が寝ているか確認のため寝室を開けた皇羽さん。ベッドの上で、膝を抱えて小さくなっている私を見つける。
「萌々?どうした、腹でもいてぇの?」
「……」
この人は…さっきまでテレビに出ていて、歌って踊って…何人ものファンを魅了してきた人。
そんなスゴイ人って分からないほど…今の皇羽さんはいつもの皇羽さんだった。
レオを悟らせない、完璧な演技。皇羽さんは、レオの存在を隠すのが…上手すぎる。