アイドルの秘密は溺愛のあとで
「今日は、もう寝ます。私の頭もこんがらがってるし…。
今まで嫌いといっていた Ign:s の人と、これからも一緒に住めるか…自分の中で考えないといけませんし」
「! 出て行くって事かよ…」
皇羽さんが顔を歪めたのが分かる。見なくても分かる。
それくらい、皇羽さんの事は少しずつ分かってきた…つもりだったの。
「皇羽さん、私が Ign:s 嫌いって知ってるでしょう?これまで通りに、なんて…無理ですよ」
「……~っ、チッ」
皇羽さんの荒々しい舌打ちが聞こえてきたと同時に、私の顔がグイッと上を向かされる。皇羽さんの手によって、強引に。
すると、すごく真剣な…これまでない真っすぐな瞳の皇羽さんと瞳が合った。
「皇羽、さん…?」
「……俺が、」
私の両頬に手を添えた皇羽さん。彼の中で、何かの感情が溢れているのが分かる。
その感情が、言葉となって飛び出していくのを……皇羽さんが必死に抑えているように見えた。