アイドルの秘密は溺愛のあとで

「名前が分からないと色々不便だなって思って…ダメですか?」

「…いや、いいけど」



「いいけど」と言った時、少し照れたように見えたのは…気のせいかな?


いや、さっきの会話の中に、どこにも照れる要素ないし。やっぱり私の気のせいか。



「俺の名前は麗有 皇羽(うらあり こう)。
目の前の駅の近くの高校に通ってる。一年」

「うらあり、こう…さん」



「そ。皇羽って呼んで」

「じゃあ…皇羽さん」

「……」



復唱すると、イケメン…皇羽さんは時間が止まったように固まった。


え、あれ…?もしかして「名前で呼べ」は社交辞令だった⁉



「す、すみません!いきなり慣れ慣れしかったですよね!訂正します!いや、させてください…!」

「ちげーよ!呼べって言ったんだから呼べよ!」

< 13 / 423 >

この作品をシェア

pagetop