アイドルの秘密は溺愛のあとで
「名前が分からないと色々不便だなって思って…ダメですか?」
「…いや、いいけど」
「いいけど」と言った時、少し照れたように見えたのは…気のせいかな?
いや、さっきの会話の中に、どこにも照れる要素ないし。やっぱり私の気のせいか。
「俺の名前は麗有 皇羽(うらあり こう)。
目の前の駅の近くの高校に通ってる。一年」
「うらあり、こう…さん」
「そ。皇羽って呼んで」
「じゃあ…皇羽さん」
「……」
復唱すると、イケメン…皇羽さんは時間が止まったように固まった。
え、あれ…?もしかして「名前で呼べ」は社交辞令だった⁉
「す、すみません!いきなり慣れ慣れしかったですよね!訂正します!いや、させてください…!」
「ちげーよ!呼べって言ったんだから呼べよ!」