アイドルの秘密は溺愛のあとで


「俺がどんな気持ちでレオをやってるか…少しも知らねぇくせに…っ」

「…へ?」



「俺だってお前が嫌いだ、何回も” Ign:s 嫌い”って言いやがって。デビュー曲が嫌いって言いやがって…。

なんだ、この女って思ったよ。だけどな…そんな事を言われても、俺はまだ…お前の事が好きなんだ。ずっと変わらずな」

「!?」



え、皇羽さん…今なんて……?


ジワジワと、目に涙がたまる。どうして涙が出るのか、私自身が分からないまま。


すると私の涙が零れ落ちる直前に、皇羽さんが私の目元にキスを落とす。


そして皇羽さんは、眉間にシワを寄せながら。だけど口は少しだけ、笑いながら…。


言ってみれば、今にも泣きそうな複雑な顔をして――



皇羽さんは私の頬に触れる手に、力を込めた。



「ばーか…っ」

「んッ⁉」



そして私にキスをした。


場所は――唇。

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