アイドルの秘密は溺愛のあとで


「それでは改めまして――

初めまして、萌々ちゃん。俺は玲央。知っての通り Ign:s のレオだよ。そして皇羽は、俺の双子の兄貴だ」

「…は?」



この二人が、双子?

皇羽さんがお兄ちゃんで、この人が弟?



「世間には内緒にしてるけど、俺の調子が悪いときや気分がノらない時…おっと。気分が悪い時は、皇羽にレオ役をしてもらっている。

代打、影武者…う~ん、なんて言ったらいいかな。そう!ピンチヒッター!」

「ピンチヒッター…」



繰り返す私に…玲央さんは一度大きく頷いて、話を続ける。



「ここの所の皇羽の無茶には、手を焼いてるんだ。コンサートを控えている、大事な時期だっていうのに。

熱があるのを黙ってテレビに出るわ、手首痛めてるのに普通にダンスするわで…。ピンチヒッターがピンチになって、どうするのって話だよね」

「えっと、あの…聞いてもいいですか?」



恐る恐る手を上げると、玲央さんは「どうぞ」と笑った。

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