アイドルの秘密は溺愛のあとで


「どっちが本物のレオですか…?」

「…さっきも言ったけど、皇羽がピンチヒッター。本物のレオは…俺だよ」



ニッと笑う玲央さんに、僅かに違和感を覚える。だって、さっきの言いぐさだったら…



「コンサートを控えている大事な時期って、あなたの方なんじゃないんですか?本物のレオさん」

「どういうこと?」

「いえ、あの…上手くは言えませんが…」



そこで口を閉ざした私に、玲央さんは頭をコテンと倒し「理解していない風」を装う。


…この人も芸能人。自分を表現するのが得意なアイドル。どこまでが本音で、どこからが演技か分からない…気がする。考えすぎかな?



「で、何で皇羽はさっき暴れてたの?思わず気絶させちゃったけど」

「え!気絶してるんですか⁉」



そういえば、さっきから皇羽さんが静か!見ると、本当に目を瞑って寝てる。こんなに無防備に。珍しい…。

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