アイドルの秘密は溺愛のあとで


「皇羽さんがレオになる時は、カツラをつけているんですか?」

「カツラって…。ウィッグね。そうそう。髪と目以外は俺たちほぼ同じだから助かるんだよ~」

「(こんな美形を二人も産んだお母さん、何者…)」



他愛ない会話をした後に、玲央さんは私の顔を見ないまま――ココアの入ったカップで指を温めながら、こんな事を聞いてきた。



「 Ign:s の事が嫌いな理由を皇羽には話したらしいけど…俺も聞いていい?」

「…皇羽さんにも言いましたが、聞いて楽しい話ではないですよ?」



「今を時めく俺たちがどんな理由で嫌われてるのか興味あるんだよね」

「(今時珍しい、自己肯定感の高い人だ…)」



玲央さんの髪を撫でながら、ポツリポツリと話をする。その中には、皇羽さんにも話していなかった内容も含まれていた。

< 138 / 423 >

この作品をシェア

pagetop