アイドルの秘密は溺愛のあとで
「じゃあ、なんで固まったんですか?ビックリしたじゃないですか…!」
「それは…」
口元がヒクついた後、皇羽さんは「なんでもねーよ」とそっぽを向いた。え、どうすればいいの。この空気…。
「え、と…じゃあ私も、自己紹介しますね。夢見 萌々(ゆめみ もも)です」
「ゆめみ、もも…」
「はい。皇羽さんと同じく高校一年生です。高校は…えっと。さっき皇羽さんが言ってた”目の前の駅”って、何ていう駅ですか?いつも電車通学なのですが、まだ現在地が分かってなくて…」
「……」
「皇羽さん?」
今までそっぽを向いていたかと思えば。自己紹介の後、急に私を見て動かなくなった皇羽さん。
さっきから何なんだろう…。
もしかして調子が悪い?
「皇羽さん失礼しますね?」と皇羽さんのおでこに、私の手を乗せようとした。
だけど――