アイドルの秘密は溺愛のあとで
「萌々ちゃんって、すごい可愛いよね?どこかの事務所に入ってるの?」
「借金のブラックリストになら、たぶん入ってますが…」
「! ふふ、聞かなかったことにしとく」
なんだそりゃ。
呆れる私に「さっきの”なんでここに来たのか”っていう質問だけど」と玲央さんが言う。
「今日ここに来たのは、なんとなく。双子の勘だよ。
最近の皇羽は”家に来るな”の一点張りでさ。だからこの前、お忍びで突撃すれば…なんと野良猫がいた。さすがにビックリしたよ」
「野良猫…?」
「そ、萌々ちゃんのこと」
「⁉」
そんな呼び名だったの!私⁉間違ってはいないけど、すごく嫌…!
だけど玲央さんは、やっぱりまだ私を見ていて。優しい目つきで見ていて…、
「そっか、君が萌々ちゃんか」と、私の頭を撫でた。