アイドルの秘密は溺愛のあとで
「さっきの言葉…つまり、全員を好きになれってこと?」
Ign:s を全員好きになる=ファンになれってこと?だとすれば、間違いなく道のりは長く険しい。
「はぁ、まあいいや。にしても、台風みたいな人だったな…」
皇羽さんの生存確認をするため、抜き足差し足で廊下を進む。
そして静かに寝室の扉を開けると…気持ちよさそうにスヤスヤ寝ている皇羽さんに、言いようのない怒りが湧いてきた。
ぺチン
起きない程度の力で皇羽さんの頬を叩いた後に、ため息をつきながら彼の手首の湿布を貼り替える。
そして皇羽さんの隣で…不本意ながら、いつものように眠りについた。
「(そう言えば…私いつか怜央さんに自己紹介したっけ?)」
怜央さんが迷いなく私の名前を口にした、あの時のことを思い出す。
――初めまして、萌々ちゃん
「(怜央さんから自己紹介はしてもらったけど、私はまだだったような…ふわ〜。いいや、今日は疲れた。寝よ)」
気になるけれど、眠気には勝てず。
私は静かに目を閉じた。