アイドルの秘密は溺愛のあとで
体調が悪い時や気分がノらない時に皇羽さんにピンチヒッターを頼むって、玲央さんは言ってた。
そして…その言葉通り、気分がノらない時にウチに来て、ゴロゴロしていた。
とどのつまり、
今のレオの状態は、玲央さんの不真面目さが招いた結果…。
「(皇羽さんが毎日必死に練習する理由が分かった気がする。
玲央さんが体力ないから、交代って言われるのが早いんだ。だから何曲も練習してないといけない。 Ign:s のメンバー並みの練習量を)」
たかがピンチヒッターなのに…。
やっぱり皇羽さんの事を思うと不憫で…。
あの強気な皇羽さんが、どうして玲央さんのワガママに付き合っているかは分からない。
けど…このままでいいはずもない。
「(皇羽さんは転校する時の編入試験で、ほぼ満点だったって担任の先生が言ってた。アイドルの片棒を担ぎながら、しかも勉強も頑張って…。
皇羽さん、すごいけど……いつか倒れちゃうよ。絶対に)」
ギュッと、拳を握る。そして、なんだかいてもたってもいられなくて「トイレに行ってくるね」とクウちゃんに一言残して、席を立つ。
いや、立とうとした。
だけど――