アイドルの秘密は溺愛のあとで
「玲央、さん……あの、ありが…っ」
私を明るい場所に降ろした玲央さん。マスクの中で「ふっ」と私に笑みを向けた、その直後。
「ゴホ!ゲホ、ゲホ…!!」
「! 玲央さん⁉」
玲央さんは口に手をあてて、大きな体が揺れるほどせき込んだ。その姿は、かなり苦しそう。
「ゲホ……っ…!!」
「ちょっと玲央さん!大丈夫ですか…⁉」
苦しそうな玲央さんの背中をさすることしか出来ない私。
玲央さんがどうにかなっちゃいそうで。さっきとは違う別の恐怖を覚える。
「はぁ…っ、」
「玲央さん、玲央さん…!」
どうしようと焦っていると、そこへ――